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日米新ルートの模擬施行に関して

1.新ルートとは
ご存知のとおり現在、三極特許庁(日本国特許庁、米国特許商標庁、欧州特許庁)では、より利用しやすい国際的な特許取得のための新しい枠組みについての議論が継続的に行われています。

すなわち、現在、出願人が自国の特許出願に基づいて他国でも権利化を望む場合には、いわゆるパリルート及び
PCTルートを利用することが一般的です。この二つの制度は料金面や手続き面においてそれぞれ特徴があるため、出願人は各ルートの特徴を踏まえて適切な出願ルートを選択する必要があります。三極特許庁で現在話し合われている内容はこれら既存のルートとは別の、全く新しいルートです。この新ルートが実現されれば国際的な特許取得のためのルート選択の幅が増えることになります。

日本国特許庁と米国特許商標庁は模擬的にこの新ルートを試行しその効果を具体的に知るべく、両特許庁で日米新ルートの模擬的試行を平成20年1月28日から開始することとなりました。

 

2.統一化された出願手続き
特許庁によると、新ルートの出願は、統一化された出願様式上で「新ルート使用の宣言」をすることによりなされます。パリルートの出願のように国毎に個別に出願をする必要がなくなります。

統一化された出願手続という点では
PCTルートと同じですが、PCTルートでは高額な国際手数料が必要となります。この新ルートによれば高額なPCTルートでの出願をせずとも一出願で二国への同時出願が可能になります。 

 

3.出願日の認定

新ルートによれば第一庁にした出願が、第一庁の出願日に第二庁にもされたとみなされます。また第一庁への出願が優先権主張を伴う場合は第二庁においてもパリ優先権主張を伴うものとして扱われます。つまり第一庁にした優先権主張の効果が第二庁でも有効ということです。なお新ルートは第一庁、第二庁という表現を用いることで、第一国、第二国と呼ぶ本来のパリルートの表現と区別しています。 

 

4.猶予期間
新ルートでは、出願人に出願日から30ヵ月の第二庁への手続移行のための猶予期間が与えられます。出願人はその間、第一庁の審査結果を待ってから第二庁への移行手続をすればよく、それに伴うコストを後ろ倒しにでき,無駄な出費を防ぐことができます。

なおこの出願日(優先日)から30ヶ月の猶予期間はPCTルートにおける国内移行期間と同じ期間です。つまりPCTルートでの出願によらずともPCTルートでの出願と同様の期間が得られます。

 

5.審査結果の有効利用
新ルートによれば第一庁で作成されたサーチレポート及び審査結果が、第二庁での審査に有効利用されます。

現状の
PCTルートでは国際調査機関若しくは国際予備審査機関における調査結果(IPRPⅠ若しくはIPRPⅡ)が各国特許庁で特許の有効性についての判断材料とされますが、この新ルートはPCTより審査の連携が図られると思われ、第二庁において迅速かつ適切な審査結果が期待できます。

また出願人は高額な国際調査手数料等を支払わなくて済みます。なお第一庁でのサーチレポート及び一時審査結果の利用に応じ、第二庁における手数料減額が予定されています。

 

6.模擬的試行について
日本国特許庁と米国特許商標庁は新ルートの実現化に向けて模擬的な施行を平成20年1月28日から開始することとしました。

現段階での法整備下で試行するため、この施行は一定条件の
PCT出願を用いて行います。なお試行対象案件が50件に達した場合、または試行開始から一年を経過した時点のどちらか早い方でこの施行は終了します。

試行結果を一定期間内に得るために、第二庁における早期の審査着手が予定されているそうですので、日米で権利化を図りたい方はこの模擬的試行をご検討されてみてはいかがでしょうか。

具体的な出願手続きはまだ未定ということです。さらに詳しく知りたい方は特許庁のホームページで確認して下さい。
 

特許庁ホームページ 日米新ルートの模擬的施行について

 

http://www.jpo.go.jp/cgi/link.cgi?url=/torikumi/t_torikumi/japan_usa_newroute.htm

以上

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