アメリカ国籍を取得した日本人は、「日本人」か?

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 前回南部教授らがノーベル賞を受賞した場合もそうでしたが、今回、中村修二教授の受賞に際して、日本では日本人、アメリカではアメリカ人と報道されたと
のことで、果たして、アメリカ国籍を取得した日本生まれの人は、日本人なのかアメリカ人なのかということが再び話題になっています。

 まず、日本国民かどうかということであれば、答えは簡単です。日本は多国籍を認めていませんから、日本人がアメリカ国籍を取ってアメリカに帰化した場合には、日本国籍を失い、日本国民ではなくなります。すなわち、日本国民ではなく、アメリカ国民になるわけです。
 

 しかし、アメリカ国籍を取得して法律的なアイデンティティはアメリカになったからといって、自分は日本人であるという内面的なアイデンティティまで捨て
なければならないというわけではありません。そもそもアメリカという国自体そういう成り立ちの国です。自ら、自分のことを日本人であると言うのは全く問題
ないと思いますし、そうしている人たちも多いと多いと思います。ただ、その場合のアイデンティティは内心的なものであり、全ての人がそうであるというわけ
ではなく、元日本国民であっても、何らかの理由で日本人としてのアイデンティティを自ら捨てアメリカ人になろうとしている人もいるかもしれません。また、
日本生まれ若しくは親が日本人あっても、アメリカや他の国にアイデンティティを持つ人もいるかもしれません。要は、国籍と違い、内面的に何人であるかは他人が勝手に決めることはないと思います。

 すなわち、中村教授の場合、アメリカ国民であることは明確でありますが、その人が同時に日本人であるかは中村教授の意識に寄るということになると思います。

 なお、一般的な話になりますが、他の国の人はともかく、日本人の場合は、日本が好きで老後は日本でという人が多く、いつか日本に帰るかもしれないと思っ
ている間はアメリカには帰化しないのではないかと思います。もし中村教授がアメリカ国籍を取得していたとした場合、果たして、どういう心境でそうされたの
か、興味のあるところです。

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