連邦商標登録のメリット

連邦登録は必要でしょうか?

    アメリカは使用主義を採用しているので、商標権は使用によって発生します。では、商標を登録しなくても使用によって権利が発生するのに、それでも商標を登録する意味はあるのでしょうか?  例えば、貴社がある地域で無登録のまま商標を使用していたとします。後に第三者が同一商標を同一商品に関して連邦登録出願し、貴社が先に使用していたにも拘らずそれが見過ごされて、登録に至ったとします。そして、貴社がこの第三者の登録とその使用を知らないまま、その第三者が登録後5年間継続してその商標を使用し、米国商標法第15条の宣誓書を提出したとします。そうすると、その第三者の商標権は不可争性(例外を除き、権利の有効性を争えなくなる)を取得し、貴社はこの第三者の登録の取り消しを請求できなくなります。貴社はこの第三者の出願より先に使用していた地域でのみ、継続して商標を使用することができますが、この範囲を超えると、この第三者の連邦登録された権利を侵害することになってしまいます。  上記のように未登録商標の権利は限定的で不安定ですが、商標を連邦登録することによって、権利はアメリカ全域に及び、権利的に安定します。従って、アメリカで商標を登録する意義は大きく、以下のようなメリットがあります。    (1)排他的権利の推定 登録者がその商標を使用する排他的権利を取得したと推定されます。 (2)擬制使用 商標を一定の地域でしか使用していなくても、出願日からアメリカ全域において商標を使用していたものと擬制されます。 (3)擬制告知 登録により、商標権をアメリカ全域に告知したものと擬制されます。その後に第三者が同じ(又は類似の)商標を使用した場合、その第三者は登録商標の存在を知らなかったという言い訳(善意の抗弁)ができなくなります。 (4)模倣品(侵害品)の差止め 連邦登録商標を税関に申請しておくと、模倣品の輸入を水際で差し止めることができます。 申請はUS Custom and Border Protectionのウェブサイト(https://apps.cbp.gov/e-recordations/)でできます。 (5)Rマーク 連邦登録商標であることを証明するRマークを商標に付けることができます。 (6)不可争性の取得 商標登録後、継続的に5年間商標を使用して、アメリカ商標法第15条の宣誓書を提出すれば、不可争性を取得します。すなわち、第三者は登録の有効性について争えなくなります。(ただし、商標の普通名称化、不使用による放棄、詐欺による登録を除く。)     通常、日本企業がアメリカへ商品を出荷する場合は国際取引ですので、連邦商標法による保護を求めることになります。しかし、ある州内でのみ事業を行っていて、その範囲でのみ商標を使用する場合は、州商標法に基づく州登録を検討することになるでしょう。州における商標出願については当事務所にお問い合わせください。

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