出願後の審査から登録まで

出願後の審査から登録まで

出願後、審査が開始されます。審査の段階で拒絶理由(Office Action)が発せられた場合、出願人はそれに反論または補正する機会が与えられます。その応答期間は6ヶ月です。拒絶理由が発せられるのは1回に限られず、最終拒絶通知が発せられるまで、何度か反論または補正の機会が与えられます。 拒絶理由が解消された場合、または拒絶理由がない場合は公告となり、第三者に対し30日間の異議申し立ての機会が与えられます。 使用意図ベースで出願した場合は、公告期間が経過し、登録査定となってから6ヶ月以内に使用宣誓書と使用を開始した証拠を提出しなければなりません。この期間は6ヶ月ごとに最大5回まで延長可能ですが、期間延長を忘れてしまったり、期限までに宣誓書を提出しなければ出願は放棄となってしまいます。 異議申し立てが無く30日の期間が経過し、使用証拠や宣誓書が提出されれば登録となり、登録証が発行されます。 以上が出願後の審査から登録までの流れです。

補助登録

  記述的(descriptive)な商標、商品等の一般名称、地理的な表示の商標、人の氏名に過ぎない商標などは本来的には識別力に欠けますが、継続して使用することによって将来識別性を獲得する可能性があります。このような商標は、主登録ではなく補助登録を受けることができます。  出願審査の段階で、商標としての識別力を欠くが、補助登録簿での登録は許可するという通知があった場合、一旦それを受け入れて補助登録し、5年間継続使用した後に、継続使用により顕著性を獲得したという主張をして、主登録への登録を試みることが可能です。  補助登録であっても、後の同一(又は類似)商標の連邦登録出願を排除することができます。但し、主登録に認められるような排他的権利の推定、擬制告知、不可争性の取得、擬制使用、侵害品の水際での差し止めなどの効果は認められません。  補助登録の出願は、使用意図ベースではできません。実際に使用されているものでなければなりません。

登録

 登録期間は10年で、登録の起算日は登録日です。10年毎に更新可能です。

使用宣誓書の提出

 使用意図ベースでの出願の場合、登録査定後に、実際に商標が国際通商又は州際通商で使用されたという宣誓書と使用証拠の提出が必要です。またいつから使用されたかという使用開始日に関する情報も記載しなければなりません。  「商標の使用」は単にチラシなどの宣伝広告物に使用されているのではなく、商品そのものや梱包に使用されていなければなりません。サービスマークの場合は、宣伝的使用がサービスマークの使用となります。  商標の使用証拠は商品分類1つにつき1つの商品に関する使用証拠を提出しなければなりません。但し、審査官が合理的必要性があると判断した場合は、より多くの使用証拠の資料を求められることがあります。  この使用宣誓書は登録査定から6ヶ月以内に提出しなければなりません。しかし提出期限は6ヵ月毎5回まで延長することができますので、登録査定から最長36ヶ月以内に提出すればよいことになります。最初の6ヶ月の期間延長は無条件でできますが、2回目からの期間延長には、その合理的理由を述べなければなりません。理由としては、例えば、商品の研究開発中、製造中、市場調査中、代理店募集中、販売促進活動中、顧客獲得中、宣伝広告中、政府の認可待ちなどがあります。また、延長申請するたびに延長費用が発生します。使用宣誓書と使用証拠を最終的に提出できなかった場合は出願放棄と見なされますので、出願の際には、「出願ベース」で述べましたように、商標の使用開始予定と出願のタイミングを検討することが大切です。

公告と異議申し立て

 拒絶理由がない、又は拒絶理由が解消された場合は、出願公告となります。異議申し立て期間は30日です。申請すれば30日の期間延長をすることができます。相当の理由がある場合は、最大180日まで延長することができます。   異議申し立ては、異議申し立ての対象となる商標の登録に影響を受ける人は誰でもできます。    マドリッドプロトコルに基づく商標の国際出願で、アメリカを指定国としている場合、米国特許商標庁は18ヶ月以内に暫定的拒絶理由を通知しなければなりません。従って、18ヶ月以内に異議申し立ての可能性があることを通知しなかった場合は、異議に基づいて出願が拒絶されることはありませ ん。また、異議申し立ての可能性があることを通知しても、異議申し立て期間の開始日から7ヶ月以内、または異議申し立て期間の終了1ヶ月以内のいずれか早い方の日までに暫定的拒絶理由を通知しない場合も同様に、 異議に基づいて出願が拒絶されることはありません。    *日本では異議申し立ては権利付与後ですが、アメリカでは権利付与前です。    

審査

 拒絶理由(Office Action)が発せられた場合は、送付日から6ヶ月以内に意見書や補正書を提出して対応することができます。出願人が提出した意見書に審査官が同意しない場合、さらに拒絶理由や補正指令が発せられ、また6ヶ月の応答期間が与えられます。こうした出願人と審査官とのやり取りが何回か繰り返されることがあります。審査官が最終拒絶(final refusal)と通知した場合は、6ヶ月以内に審査官の見解に従って補正するか、審判部に抗告するという選択があります。最終拒絶通知の後、3ヶ月以内に再考請求(request for reconsideration)をすることもできます。その場合、審査官は抗告期限前までに回答するのが慣例となっています。  よくある拒絶理由として、先行類似商標が挙げられます。出願前に商標調査を行っていても、先行商標と類似しているという理由で拒絶理由が発せられることは多々あります。その場合、その先行商標と出願商標が出所の混同を生じるほどに類似しているかどうかが問題となります。拒絶理由として挙げられた先行商標(商標A)に類似していると思われる商標(商標B)が他にも登録されている例などを探し、それら(商標Aと商標B)が互いに識別可能であれば、自分の出願商標(商標C)と拒絶理由として挙げられた商標(商標A)もまた識別可能であることを主張するなどして、拒絶理由の解消を試みることになります。  また、商標が記述的(descriptive)であって、商品の識別力に欠ける、という理由の拒絶理由も多く挙げられます。その場合、記述的(descriptive)ではなく、単に示唆的(suggestive)なだけである、という反論をすることができますが、審査官が同意するかどうかはケースバイケースです。  商標全体としては識別力があり、登録可能な商標ではあっても、その商標の一部だけが記述的である場合には、その部分についてだけ権利不要求(disclaim)するよう求められることがあります。その際、その一部について権利不要求することによって拒絶理由を解消することができます。  商標の識別性に欠ける、という拒絶理由に対して、主登録ではなく補助登録へ移行するという方法もあります。詳しくは「補助登録」をご覧ください。  その他、指定商品の範囲が広すぎる、商品の記述が曖昧であるなど、様々な拒絶理由が挙げられますが、いずれにしても拒絶理由が解消されなければ、拒絶査定となります。  せっかく時間をかけて準備した出願が拒絶されて無駄にならないよう、拒絶理由への対応は必ず経験豊富な米国弁護士に相談しましょう。      

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