十分な出願準備によって拒絶理由を避けましょう。

 アメリカに商標出願をするにあたって、準備すべきこと、考慮すべきことがいくつかあります。具体的には、

①出願する商標を標準文字にするか、ロゴマークにするか、色を指定するかなど商標の態様の検討。

②商標は常に商品/サービスに関して使用されるものなので、出願をするときは商標の保護を何の商品/サービスに対して求めるかを指定しなければなりません。その際、商品/サービスをどの範囲まで指定するか、そしてそれを英語でどのように表記するか、ということを慎重に検討しなければなりません。

③アメリカに商標出願するときには、出願のベースが必要となります。そこで、出願のベースを使用ベースで出願するか、使用意図ベースか、本国登録又は本国出願ベースにするか、優先権を主張するか、ということを検討しなければなりません。

④先行商標の調査を行わなければなりません。出願しようとしている商標と同一又は類似の商標を同一又は類似の商品/サービスに関して第三者が先に出願又は登録している場合は、出願が拒絶されてしまいます。従って、出願前にこのような先行商標が無いかを調査する必要があります。

 各検討項目の詳細な説明はこの「出願の準備」の各サブカテゴリをご覧ください。

 準備を十分に行わないまま出願すれば、補正指令や拒絶理由通知を受ける可能性が高くなります。例えば、事前の調査を十分行わずに出願し、後で類似の先行商標を理由に拒絶理由が発せられるかもしれません。また、日本で出願したときと同じ表現で商品/サービスを記載すると、商品の記述が曖昧または包括的なので、商品を具体的に記載するようにという補正指令を受けるかもしれません。使用意図ベースで出願しても、商標の使用開始が間に合わず、使用証拠が提出できないまま出願放棄と見なされることになるかもしれません。

 出願前の準備を十分行うことによって、上記のような補正指令や拒絶理由等を極力回避することができ、出願に係る費用と時間を最低限に抑えることができます。しかし、こうした準備には十分な知識と経験が必要ですので、出願前に米国弁護士又は弁理士と必ず相談して行いましょう。

 


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