私は、日本発の知的財産の中で最も潜在価値のあるものとして「折り紙」に注目した。そして、この折り紙を、知的財産ベースのインキュベーションの手法を用いて世界市場において商業化することに挑戦している。
このため、ニューヨークのブルックリンに、ちょうど1年間、タローズ折り紙スタジオをオープンした。このタローズ折り紙スタジオは、ニューヨークマガジン誌によりベストオブニューヨーク・2012年キッズクラフト部門のベストに選出された。また、ニューヨークタイムズ紙にもメトロポリタンセクションの1面記事として大きく特集してもらった。
しかし、私の目的は、このブルックリンでスタジオを運営することそのものにあるのではない。このスタジオを「実験場」として世界に通じる折り紙教授法「タローズ折り紙メソッド」を開発し、このタローズ折り紙メソッドを多くの興味ある人にライセンスすることで世界各地に「タローズ折り紙スタジオ」を展開することにある。
明日は、ブルックリンで日頃スタジオで折り紙先生をしていただいているアーティストの方に集まっていただきタローズ折り紙メソッドに関する全体会議を行う。オープンから1年、結構時間がかかったが、ようやく何とかなりそうである。今後、改良を加えた後、このタローズ折り紙メソッドを来年早々にリリースし、さっそく事業パートナーの募集を開始する予定である。
そして、近い将来、全米にたくさんの折り紙教室がオープンし、普通の子供たちが折り紙を他の習い事と同じように気軽に習えるようになる。そうなったら、本当にすばらしいと思う。
今日打ち合わせを行う折り紙先生のアーティストたちはほとんど非日本人、すなわちガイジンだ。また、生徒たちももちろんガイジン。日本発の折り紙は、タローズ折り紙メソッドによって、「日本発」であるというオリジナリティを保ちつつ、このガイジンたちによって世界に広げられていくのだ。