海外各地で行われるボランティアベースの日本文化振興活動を日本政府はもっと応援するべき

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今年(2013年)も、フィラデルフィアで恒例の桜まつりが行われた。

フィラデルフィアの桜まつりはワシントンDCについで全米第二番目の規模と大きい。
桜も、市内の公園としては全米最大のフェアモントパーク内に3000本近く植えられている。すべて日本からの桜だ。

今や、中心行事のサクラサンデーには、2万人以上もの観客が訪れ、階層や人種を問わず色々なアメリカン人の間で花見はもはや普通のことになりつつある。

しかし、今から10年ほど前、私が初めて参加した当時は、同じサクラサンデーの参加者は関係者を含めても200人程であった。数年でこの成長ぶりは本当にすごい。
もっぱら、フィラデルフィア日米協会専務理事のチューニーさんの実力のなせる業である。

メインのサクラサンデー以外にも市内各地で日本関係のイベントが開催される。

センターシティ(フィラデルフィア市中心部)のリバティープレースというモールの中で着物着付けのデモンストレーションがあり、わが事務所からもスタッフがボランティアとして参加した。着付けを希望する方に着物を着付けしてあげて、最後に皆で記念撮影をした。春の温かい日差しの下、華やかな雰囲気であった。

サクラサンデーでは、タローズおりがみスタジオの折り紙デモンストレーションコーナーを出し、午後3時までに700枚以上の折り紙を使い切った。 今年は桜満開とサクラサンデーのタイミングが完全に一致し、過去最高の入場者数だったらしい。ということは3万人以上か。

桜祭りといっても、日本の桜祭りとは全く趣きが異なる。日本では桜祭りは、折り紙とか太鼓とか書初めとかをするイベントではない。しかし、アメリカでは、桜祭り=日本文化祭りなのだ。桜はきっかけに過ぎないが、この自然現象を利用しての日本文化振興は、確実に米国市民の心をとらえているようだ。

ところで、米国各地でボランティアベースで行われているこれらの日本文化推進活動は、いったい母国にどれほどの利益を及ぼしているのだろうか。

もちろん、それらの日本人は日本の経済的利益のために活動しているのではなく、地域の人たちに提供できる、すなわち地域の人に提供できる指向的な社会サービスとして、日本人が持っている強みを生かして我々の社会的存在価値を伝えようとしているだけである。

しかし、もし、それが、日本のクールジャパン推進戦略と合致するのであれば、それを利用しない手はないのではと考える。

タローズ折り紙スタジオの場合は営利企業でありスタッフは給与を受け取って活動している。しかし、他のほとんどの日本人はボランティアの無償奉仕である。ボランティアでは長い目で見た活動は期待できない。

日本のクールジャパン関連予算が、日本国内の団体だけでなく、日米協会とか海外の日系団体にも少しでも良いから回ってきたらと願う次第である。

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