色々な人に、「国際弁理士」としてどんなふうに仕事をしているのか?と聞かれるので、これから少しずつ紹介していこうと思います。
今回は、どうやって国際弁理士になるのか?をご紹介します。
この記事の目次
「国際弁理士」とは2国以上の資格を持つ弁理士(あるいは特許弁護士)
まず、「国際弁理士」という「公式」資格はありません。
ただ、「国際」の意味は、「複数の国に関係している」という意味です。
従って、国際弁理士と名乗るためには、少なくとも2カ国以上の資格を有する必要があると思います。
すなわち、国際弁理士は、まず、1つの国の資格を取り、そして追加の2国目の資格をとることによりなれるということになります。
例えば、日本弁理士と欧州弁理士とか、日本弁理士と米国弁理士ということになります。
私は、日本とアメリカの資格を持ち、日本の特許事務所である東京オフィスとアメリカの特許事務所であるフィラデルフィアオフィスに所属しています。
そういう意味では、特許事務所としても「国際」特許事務所ということになります。
日本では「国際特許事務所」という名前を冠しているところが多いですが、ほとんどのところが、実際には日本にしかオフィスをもってませんが、厳密な意味ではなく、単に「国際的な感覚をもった」という意味でつかわれているのだと思います。
どちらかの国に住んで、仕事は日本とアメリカの両国で。
それはさておき、私は、アメリカに住んでいますが、日米を毎月のように往復し、大体アメリカ4、日本1ぐらいの割合で日本に出張滞在してます。(というか、していました。コロナ前までは。)
物理的にどこにいるかというのは、この通信手段の発達した現在ではあまり関係ないといわれていますが、私は、やはり、職員や顧客、そして審査官や裁判官と実際に顔を合わせて仕事をするのがこの仕事では大切だと思っているので、毎月のように往復を続けています。
日本人米国弁理士の登録者数が少ない理由は永住権
日本の弁理士でかつ米国に登録された弁理士がどれぐらいいるのかということですが、数でいうと極めて少ないと思います。
日本人で米国の弁理士試験に合格しただけの人(試験合格者)は結構たくさんいるのですが、登録が許されて実際に両方の特許庁に対して業務をしている人となると、その数は、たぶん片手以下だと思います。
その理由は米国の場合、外国人には永住権資格を有する人にしか弁理士登録を認めないからです。
したがって、日米の国際弁理士になるためには、米国の永住権を取得し、その上で試験に合格して登録しなければならないということになります。
私は、米国の国務省から「特許(日本法)の分野で極めて普通でない能力を持つ外国人」(EB1-1カテゴリー)と認められ、弁理士業務の実績をに基づく永住権を取得しました。
日本の弁理士が少ない理由は試験が難しすぎるから
一方、日本における弁理士資格は日本の永住権を持たない「外国人」でも取れますが、試験が極めて難関なので、読み書き共に日本人以上の日本語力がないと実質的に無理でしょう。
次回は、国際弁理士の仕事についてお話ししたいと思います。
それでは!
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