神戸製鋼所事件に見る「日本人は隠す」という問題

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皆さん、こんにちは!

かなり前のニュースになりますが、アメリカでも問題視されてた日本の神戸製鋼所問題。

2017年、日本の3大製鉄の1つで、自動車から新幹線、航空機に至るまで数多くの日本製品で使われているアルミ、銅、鉄部品を供給している伝統ある製鉄会社に品質偽装の問題が発覚しました。

ニュースでは「最終関門の品質保証担当まで積極改ざん 神鋼不正品問題」という見出し朝日新聞は以下のように報じています。

 神戸製鋼所の検査データ改ざん問題で、製品の品質を最終確認し、場合によっては出荷を差し止める権限を持つ品質保証担当者が自ら、検査データを改ざんしていた例があることがわかった。製造部門から独立し、品質の維持を厳しく監視することが求められている立場の従業員が積極的に関わっていたことで、改ざんが組織ぐるみだった構図がさらに強まった。(朝日新聞デジタル)

日本人は隠す?

私は仕事柄、アメリカ企業側を代理し、日本企業との間の交渉を数多くサポートしてきました。

仕事を開始する際、アメリカ企業に良く言うのが「日本人は隠す」ということです。
私たち日本人は、相手が知らないと思うことを無意識或は意識的に隠す習性があるように思います。もちろん、動物としての習性ではなく、そうやって教育されてきた結果身に着いた処世術、あるいはそうすれば上手くいくという世界観にすぎないと思います。

これに同意されない方も多いと思いますが、いずれにしても、私はアメリカ企業には「日本人は隠す」という習性を持っている点に気をつけなければならないといつもアドバイスします。(なお、アメリカ人はミスを認めた上で「言い訳する」習性があると思います)

アメリカ人が「日本人が隠していること」を見破るのは困難です。したがって、私たち日本人の専門家が雇われ、まず、日本企業との更新履歴などを見ます。そうすると、「アメリカ企業は知らない」と思ってごまかしていることはすぐに見抜けます。

その上で我々が出て行って交渉をちゃんと行うということをやります。私たちは、在米21年の私をはじめ、日本人担当者、米国担当者問わず日米双方の文化を良く知る者が多く在籍しています。

日本企業の隠ぺい体質を日本人自身が変えることは困難

日本企業が不祥事を起こすと、法律専門家や外部有識者を含めた「委員会」が作られますが、構成メンバーは皆、日本社会で働く日本人のみです。

これはコンプライアンスのテンプレートに従ってやっているわけですが、こんなやり方で次々と出てくる不祥事案件を根本的に解決することができるのでしょうか?

確かに日本のことは日本人で解決したいと思うのは分かりますが、もしこの問題が日本人、日本企業にとって本当に解決したい問題なのだとしたら、日本人だけで解決するのは間違っているのではないかと私は思います。

特に大企業の場合、グローバルな意味で世界の誰もが納得できる解決が求められていると思います。

1つのやり方は、解決の指揮を執るトップに外国人を持ってくることです。

若しくは、日本企業との間にしがらみのない外国経験豊富な日本人。

個々の日本人が「隠す体質」から脱却するには、単身でグローバル体験をするのが良い

では、私たち自身の隠す体質を変えるにはどうしたらよいのでしょうか?

私は、しがらみの無い形で海外に飛び出してみるのが良いと思っています。

しがらみの無い形とは、どこかの企業にアフィリエイトしないということです。

高校生でも大学生の時でもいいと思います。
ただ、社会人になってからの方がより効果的だと思います。

また、期間はできれば1年以上。ある程度時間を掛けないと日本ローカルの体質が抜けないからです。

ある程度の時間いると、日本のことを客観視できるようになり、日本の欠点だけでなく、日本では分からなかった素晴らしさも良く見えてきます。

そういうグローバルな体験をした人が企業の中に入ってリーダーシップを採ることが問題の根本解決につながるのではないでしょうか。

ミスを隠さず認め、ちゃんと説明する能力、それが求められているのだと思います。

知的財産権の問題もグローバルな視点を持つべき点では同じ

企業の成否を握る知財戦略の問題もグローバルな視点が必要であるという点では同じだと思います。

もはや日本国内の市場だけを見ていてはやっていけない時代にドメスティックな視点では有効な戦略は作れないのは当たり前です。

これは企業にアドバイスする我々のような専門家も同じです。国内の資格で守られているせいか、留学以外で国外経験がないという人が多いですが、少なくとも数年海外で働いてみるのが良いと私は思います。

それでは、この辺で!

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