アメリカ人は、ドル札折り紙に非常に強い興味を示す。
ドル札という非常に身近な、大きさや形がわかっている平面な紙から、あのような立体的な形状が作り出される様に非常にインスパイヤされるらしい。個人的意見だが、日本人は、一般に2次元から3次元のものを想像するとか、3次元のものを2次元の平面に展開するとかいった、いわゆる「3次元分解能」が外国人よりも優れているから折り紙を見てもそれほどたいしたものだとは思わない。だから、アメリカ人をはじめとする外国人が非常に驚いているのをみると、それに、日本人は驚くことになる。
日本の番組を見ていると、日本はすごいということを再発見させるために、外国人が評価している映像等を使っていることが多いように思う。しかし、日本人が本当に自分の文化がすごいと思うには、そのような方法では十分ではなく、相当なパラダイムシフトが必要であると思う。そして、そのパラダイムシフトは日本にいては起きないし、実際のところ私にもまだ完全には起きてないと思う。
先日、ニューヨークの銀行からドル札折り紙創作の依頼を受けた。ドル札折り紙作品を、この銀行が提供するクレジットカードのサービスのアイコンとして使いたいという。そうやって作ったのが、下の画面に示す作品(クレジットカードのフェイスブックより)である。
ブログの読者は、これを見て、何を感じるだろうか?このドル札折り紙は好評で、また、作成の依頼が来た。今度は8つ。作成過程のビデオも作りたいという。そして、完成品はアート作品としてそれ相応の対価で購入してもらえる。
折り紙は日本の代表的文化であると認めていたとしても、単なる折り紙がアート作品として購入してもらえるというのは、あまり想像できないのではないだろうか。わたしも、顧客と何度も打ち合わせをしているが、それでも、彼らがこのドル札折り紙に求めている「もの」や彼らがお金を支払う価値を認める「もの」をまだ完全に理解できていない。ただ、その反応をみて、折り紙に対するディマンドがあるのだなと思うだけだ。
ひとつ、1ドル札折り紙を真剣にやってみてわかることがある。それは、1ドル札だから可能だということ。日本にはお札は千円からなので、10個折ると10000円になってしまう。これだと、さすがに試行錯誤的にやっているとすぐに数万円必要になる。アメリカでは5ドルからお札があるが、やっぱり、5ドル札では心理的に無理。やっぱり1ドル札だからできるのだ。
結論は、「1ドル札折り紙は、折り紙界のカルフォルニアロール(前記事参照)」ということなのだと思う。
寿司がアメリカで生み出されたカルフォルニアロールを通じて世界に広がったのと同様に、アメリカ発の折り紙「1ドル札折り紙」を通して折り紙がもっともっとメジャーになることを願う。
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