岸田首相は、オミクロン株の蔓延に伴い、令和3年11月30日から、全ての外国人を対象にした入国禁止に踏み切りました。この素早い措置は日本の国民感情を考えれば正しい判断だと思います。
しかし、グローバルな観点から見ると不安な点があります。
米国は感染者増も外国人入国に対して厳しい対応はとらず
米国を見ると、Withコロナへの舵切りに特に変更はなく、適宜対応する方法で、外国人の入国を前面的に禁止するなどの措置はとってません。これからも新規株は出てくると考えられるし、感染者は減ったり増えたりするでしょう。実際にそうなっていますし(多分今でもかなりの新規感染者数)。しかし、米国では、例えばローカルの学校や会社でもコロナ感染者が発生するたびに接触者を一定日数待機させる措置をとるだけで、それ以外は何事もない感じで運営されています。この前提になっているのは当然のことながらワクチンです。
また、ニューヨーク市等では住人の40%が外国生まれの外国人なので外国人規制はできないという事情もあるのでしょう。
多くのヨーロッパ諸国も同じような対応だと思います。
個人的には、この欧米式の対応の方が良いと思っています。
日本の対応方法ではコロナの終わりが見えない
というのは、第1に、日本のような厳しい方法では、終わりが見えないからです。
今回、厳しい入国制限をしましたが、これでも第6波は来るかもしれません。その場合、どうするのでしょうか?原因は水際措置の失敗ってことになるでしょうか?
東京などでは1日の感染者が10人以下の日もあるのに、感染爆発を恐れて全員マスク着用です。空港検疫をすり抜けた感染者が近くにいることを恐れているのでしょうか。しかし、今や日本のワクチン接種率は世界有数のレベル。恐れ過ぎのような気がします。
このような実際にはいない敵と戦うようなやり方が、終わりが見えない感じに拍車をかけているのだと思います。メンタル的に残念です。
外国人が入国できないことのダメージは日本の将来に響く
第2に、残念なのは、日本で学んだり働いたりしたい外国人が日本に来れなくなることです。
11月8日の外国人の入国規制緩和後、多くの留学生や日本での就職希望者がビザ取得などの入国準備を開始していたと聞きます。これが、今回の措置で11月8日以前の状態に戻ったわけです。
下の記事によれば、「日本は先進7カ国(G7)で唯一、外国人留学生にビザを出していない」のだそうです。
このブログの別の記事でも書きましたが、日本の労働力人口の激減は日本の最も大きな課題であり、外国人に大きく門戸を開くことが急務であると思います。日本で教育を受けた外国人は将来の日本にとって大きな戦力になることは間違いありません。
今回の外国人の入国規制により、日本にやっと来れると喜んでいた留学生の落胆したことでしょう。その落胆ぶりは簡単に想像できます。
アメリカの大学にはすでに外国人留学生は戻ってきています。
政治家は将来を見据えて現在の政策を決めなければならないのに、このように感情的に決めちゃっていいんでしょうか?
鎖国は安心ですか?日本の将来を考えると私は不安です。
いかがでしょうか?
それでは今回この辺で!