今週の頭に、ソルトレイクシティに出張した。
クライアントである有名私立大学の技術ライセンスオフィス(TLO)と、その大学の特許出願を含む知財業務を扱っている5つの法律事務所を訪問することがその目的である。それらの法律事務所ともすでに提携しており、大学関連の仕事はそれらの法律事務所と協同して処理することになっている。今回は、これまで依頼をいただいていることの感謝の意を伝えるためと、提携関係の強化が訪問の主な目的だった。
恵泉は特許・法律事務所であるのと同時に、 国際技術移転を行うジャパンテクノロジーグループを関連会社として持っている。今回の大学との会談では、特許取得だけでなく、特に日本に対して行う国際技術移転活動についても議論した。ユタの州の隣の州であるアリゾナ州のアリゾナ州立大学との既存の提携関係等について紹介した。
それらの大学および法律事務所は全てユタ州の首都ソルトレイクシティの市内およびその近郊に位置している。ユタ州は、そのほとんどが砂漠か山脈地帯であるため、州のほとんどの場所には人が住んでおらず、住民の80%がソルトレイクシティ近郊に集中しているという。
ソルトレイクシティには2日半滞在した。
今回会った7人のクライアントは全員モルモン教徒だった。最初の3人は5人のお子さんがいて、次の2人は4人、次の2人は3人と、非常に家族指向で、それがユタ州の将来を明るくしていることを実感した。
ユタ州は住民の90%がモルモンソサエティに属しているという、宗教立州。今回会った弁護士全員が若いころに宣教師として外国を経験し、第二外国語を話せるということだった。アメリカのどこでも見られる十字架や教会が見えず、その代りに尖塔をもったモルモン教会が谷のあちらこちらに見えるという、、パラレルワールドにきたような不思議な感覚になった。今回訪問したメインのクライアントの大学の担当者からは帰り際におみやげということで、「モルモン書」を頂いた。日本語バージョンであった。その宣教心に感服した。
信仰の力を借りて経済発展と社会の安定を実現してきたユタ州。その不思議な社会を見て、大いにカルチャーショックを受けたのだった。
考えてみれば、アメリカは、そもそも信仰の自由を求める人たちによって築かれてきた国。アメリカの底力に、聖書とイエスキリストへの信仰があることは明らか。イエスキリストは、それまでユダヤ人のローカルな宗教であったユダヤ教に定められた古い契約をその十字架での死により成就し、ユダヤ人だけでなくイエスキリストを信じるものは国籍を問わず誰でも救われるというグローバルな宗教、すなわちキリスト教という新しい契約をもたらした。そのグローバルな宗教により国の礎を作ったのがアメリカなのだ。
(ソルトレイクシティ市内テンプルスクエアにあるモルモン教会のクリスマスイルミネーション)