前回(その1、その2)までの考察で、経産省の施策は、折り紙という技法やカルチャーをプロモートするというよりも、あくまでも消費財としての折り紙用紙/折り紙キットをプロモートすることについての支援であることを述べた。消費財を通して、日本の魅力を伝えるという考え方である。
また、その媒体は映像コンテンツであることも述べた。日本の魅力を伝える媒体として最も効果の高いものとして選択されたものであると思われる。
しかし、折り紙用紙や折り紙キットをプロモートし、販売したとしても、肝心の折り紙を折ることができなければ意味がない。したがって、折り紙を教えるための仕組みや環境が必要で、むしろ、こちらの方が重要であり、それこそがタローズ折り紙スタジオがやりたいことであるが、私たちのコンテンツであるタローズ折り紙メソッド自体のプロモートは施策の対象ではない(残念!)。
しかし、折り紙用紙という消費財をプロモートすることを通じて、実質的に折り紙教室産業が活性化されることになればよいので、ここでは問題にしないことにする。
「この事業の対象は映画やアニメなどの映像またはコミック、ゲームで、すでに出来上がっている作品のローカライズと現地でのプロモーションの支援が目的なので、新たなコンテンツの製作は対象となっていないし。また、折り紙や和紙などはそもそも対象としておらず、助成事業のエントリーシートへの記入も困難だと思われ、これに本プロジェクトで申請するのはかなり難しいと思われる。」と、いうことであった。私の完全な勘違いであることが判明したのだった(ガクッ)。
この事業は今年度中は随時受け付けており、定期的に説明会も開催しているということであった。
膨大な予算が付いているが、結局は、既存の「ポップカルチャー」の映像コンテンツで、日本の「カルチャー」では無いことがわかったのであった。