年末のこの時期、人は色々と考えたくなる動物だ。過去のこと、これからのこと、喜んだり、悩んだり。
私も、折り紙スタジオが休みであるホリデーシーズンのこの期間を利用して、一人でスタジオに籠って色々と、折り紙を折りながら考えてみました。
紙を色々と加工しながら、どんな作品を作ろうかと考え、ひたすら作業しました。
誰もいないスタジオで朝から晩まで。
折り紙を折りながら考えた折り紙の特徴としては、まず、折り紙を見て腹を立てる人はいない、ということです。素直に、ワオと思うのが普通。
また、四角い紙からハサミを使わず、あらゆる自然物の形に折り込まれたこのミニチュアな折り紙作品を見ると、人は癒されたり色々とインスパイヤされたりします。企業の商品CM等によく採用されるのも、この性質からだと思います。
しかし、私にとってはこれだけでは足りません。
私は、折り紙を「アート」の域にまで昇華させたいと考えています。それにより、折り紙を通して積極的に何かの意味を伝えていきたいとずっと考えてきました。その意味とは、自分自身にとってだけでなく、それを越えて社会にとって何か良いものでなければなりません。そして、折り紙にはその力があると思うのです。
では、そのような意味として自分が折り紙に込めたいものとは何なのか。それは、折り紙の持つ性質を考えると、人に何かの考えを押し付けるものであってはならず、見た人の中に自然的に出てくる平和的、中立的なソフトパワー的なものである必要があります。
例えば、人々の対立問題を例に取れば、どちらかに一方的に支援・応援するというものではなく、私の折り紙を見た双方の人が対立するのを考え直したくなるような仲裁的な意味を持つものです。私の折り紙を見たら、戦うのバカバカしくなってやめようという気持ちが起こる様な感じ。
折り紙がインパクトを与えることができる社会問題には何があるか、私は折り紙で動物や植物を作るのが得意なので、気候変動問題の解決に貢献できるのではないかと思いました。
そう考えながら作ったのが、下の作品、ネズミの一種、「ブランブルケイ・メロミス」。
このネズミは、地球温暖化で初めて絶滅した哺乳類なのだそうです。生息していたのはオーストラリアのグレートバリアリーフの島。この島は面積約5ヘクタール、海抜約3メートルで気候変動の影響を受けやすく、海面上昇により繰り返し浸水していたそうです。
このように、私の好きな動植物シリーズは「地球温暖化のもとで犠牲になっている動植物、自然への思い/人間の利己主義という罪」をテーマに作っていきたいと考えています。
また、私の専門である発明についても同じ。今年は地球温暖化の解消に役立つ発明を積極的に作り出したり応援していきたいと思います。
いかがでしょうか?今年はこのように、折り紙や発明に意味を持たせて創作活動をしていきたいと思っています。
それでは2020年もよろしくお願い致します!