皆さんお元気ですか?
ニューヨークとサンフランシスコで誰の助けも借りずに折り紙スタジオを開いて6年。
先週(2017年10月)、満を持してクールジャパン機構にプレゼンしに行ってきました。その報告です。
この記事の目次
クールジャパン機構には歯が立たず玉砕
何か連携できることがあればと思っていたんですが、結果としては、箸にも棒にもかからず、という感じでした。
理由としては、「「折り紙」ビジネスに政策的意義はかなりあるとは感じるが、現在はレイトステージのビジネスにしか投資を行っておらず、スタートアップには投資できない」というものでした。
レイトステージとは、企業設立後大きく企業成長をはたし、 事業としては成熟段階にはいり、資本政策的には何らかの出口を必要としている 企業群をさします。
折り紙ビジネスのみで「レイトステージ」ってあり得ませんよね?それも海外で。
まあ、私も素人ではない(というか、専門家です)ので、そう来るかも、と予想してましたが、自分としてはクールジャパン機構のロゴのモチーフになっているぐらい日本文化の代表格「折り紙」のビジネスを、確固としたビジネスモデルを持って、海外で、これ以上は上手くやれないというぐらい上手くやっているつもりでしたので、他の一般の投資家としての反応ならいざ知らず、クールジャパン機構の反応としては、ある程度予想していたとはいえ残念でした。
それも、何の連携も必要なしということなんで、ちょっと「日本」からはしごを外された感があります。(もちろん自分の力が足りないせいなんですが。。)
しかし、これは対応された担当者の方もご存知なかったのですが、今年アカデミー賞の長編アニメにノミネートされた「Kubo and the Two Strings」(ライカ/NBCユニバーサル)は、「折り紙」を中心テーマに据えて、興行収入80億円以上を上げています。
したがって、ビジネス的に価値がないという認識があるとするとそれは違いであり、ハリウッド映画のモチーフになるぐらいですからソフトパワーも強力です。
そこで、この機会に私の活動をまとめておきたいと思います。
折り紙ビジネスベンチャーとして市民権を得る
折り紙をビジネスにするというコンセプトでまずニューヨーク店を開き、そしてサンフランシスコ店も開設し、折り紙教室ビジネスを始めました。2011年のことです。
ローカルビジネスとしてニューヨークとサンフランシスコで始めたタローズ折紙スタジオですが、徐々に市民権を得、一般客に折り紙を教えるという教室ビジネスだけでなく、大手を中心に、アパレル、ジュエリー、食品などの広告や内装デコレーション等のコーポレートコミッションビジネスも多くなってきたため、収益力が格段にアップしてきました。
我々を使ってくれた企業も、GE、ルイビトン、ニーマンマーカス、UBER、ピンテレスト、Airbnb、マーサスチュワート、コンラッドヒルトン、ユニクロ等と、名だたる企業です。
ブロードウェイミュージカルであるジョージタケイ主演の「アリージャンス(忠誠)」の桜のロゴや、折り紙をテーマにしてアカデミー賞の長編アニメ部門にノミネートされた「Kubo and the two strings」にも折り紙で協力しました。
毎年年末に放映されるABCのライブミュージカルピーターパンの一コマに生徒たちが勉強するふりをして実は折り紙を折っていたシーンがありますが、あの折り紙もうちで作りました。
また、私自身、ジャイアント折り紙のパフォーマンスをしたり、著作を出したりと「折り紙マスター」として有料で仕事を請け負ってきました。
このため、アメリカで「折り紙と言えばタローズ折り紙スタジオ」的なブランド力もついてきたように思います。
クールジャパン機構の人でも我々のことを知らなかったので、日本ではほとんど知られてませんが、日本のメディアでも一部取り扱われています。
まあ、NYは遠いので取材は難しいですよね。
下のリンクはNYにあるテレビジャパンの扱い記事です。
タローズ折紙メソッド
私の折り紙ビジネスの中核になるのが、新開発の折り紙教授法、「タローズ折紙メソ
ッドです。」
このメソッドを教えるためのタブレットアプリ、ビデオ、マニュアル等を作成し、そのまま希望者にライセンスできるように構成しました。
タローズの新ビジネス
折り紙教室ビジネスだけでは、ビジネスの広がりはたかが知れていると思われると予想できたため、昨年から、将来の戦略提携や投資受け入れを念頭に、1.折り紙教育ビジネス、2.コーポレートコミッションビジネスの他に、3.タローズ折紙スタジオブランドの折紙用紙の企画製造販売ビジネス、4.Eラーニングによる遠隔教育ビジネス、5.折り紙をコンセプトとにしたライフスタイル品、ステイショナリーの企画製造販売ビジネスを開始しました。
「ORIGAMI」を知らないアメリカ人はおらず、計り知れないブランド力を持っています。
その折り紙を利用したビジネスをもれなく網羅したつもりです。
タローズ折紙スタジオから「タローズ」へ
私の最終的なビジネスモデルは、「折り紙」だけでなく、日本発クラフトの総合ビジネスです。
クラフト産業のことを、アメリカでは「creative industry」といいます。
アメリカのいわゆるクラフト産業は、44ビリオンドル、すなわち、日本円にすると5兆円の市場規模です(https://qz.com/928235/the-business-of-creativity-is-worth-44-billion/)。日本の医療機器産業が2兆円程度なのでそれと比べるとすごいことが分かると思います。
折り紙での成功を、様々な日本発クラフトに広げて、材料の販売、オンライン・実店舗等で教えるビジネス、企業から請け負うクリエイティブ素材の作成等を行う総合クラフトビジネスにするというのがプランです。
アメリカには、巨大クラフト店が沢山あります。マイケルズ、ACモア、ジョアン等々。。。
マイケルズは全米に1300店舗以上、、すごい数です。
マイケルズ、ACモア、ジョアンも全て人の名前です。
したがって、タローズ折紙スタジオも、最終的には折り紙スタジオを取り去って、「Taro’s 」にする予定です。
戦略的提携相手を探して。。。。
タローズ折り紙スタジオまでは自分の資金で何とかなるけど、それ以上は、、、クールジャパンに助けてもらいたいと思っていたのですが、そういう話をするところまで至りませんでした。
2013年のクールジャパン機構の発足の記者会見では、経済産業大臣が以下のように日本文化の代表として「折り紙」を上げるぐらいだったでんすけどね。
機構のロゴは折り紙でジャパンの「J」を表現した。茂木敏充経済産業相は「折り紙のように織り込まれた日本の魅力を、まさに折り紙つきで諸外国に広める」と訴えた。
日本の生活産業の海外展開を支援するファンド「海外需要開拓支援機構(クールジャパン推進機構)」が25日、発足した。松屋で常務執行役員を務めるなど日本のファッション界を率いてきた太田伸之氏が社長に就任。太田氏は都内の発足式で「世界各地に情報発信のプラットフォームを整備し、(参加企業に)ビジネスとしてもうけてもらいたい」と語...
いずれにしても今回の訪問は、クールジャパン機構にとって一体何が「投資に値するクールジャパン」なのか、実際に海外でクールジャパンビジネスしている私にとって良く理解できた、とてもいい機会となりました。
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それでは、今回はこの辺で!