日本の伝統文化コンテンツ「折り紙」を知財活用の視点でアメリカに広める!

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
【参加ブログ様一覧】歌って踊れる女士のブログ野崎篤志 – イーパテント/知財情報コンサルティング®Mocco WORKING MOTHERUchida | 知財ライターべんりしえぬパテントまるわかり塾木本大介の二流のプロフェッショナル事務所

毎年7月1日は弁理士の日ということで、私も弁理士ブロガーとしてこの企画に沿った投稿をすることになりました。
「知財がテーマのコンテンツ」ということですが、コンテンツには「折り紙」も入るということを丁寧にも挙げていただいていただいておりましたので、私の観点で上記テーマを捉えなおし、記事を書かせていただくことにしました。

日本のコテンツを世界に広げるのには「知財」インキュベーションの観点が有用

最近、クールジャパンの活動に見られるように、日本政府は、日本の文化コンテンツを日本のソフトパワーとして海外に売り込むことに力を入れています。

しかしながら、アニメや漫画といった一部の「ポップカルチャー」以外はビジネスとしてうまく行っているとは言えない状況だと思います。

私は、弁理士として長い間技術移転の仲介業務に携わっておりましたが、10年ちょっと前、日本文化の海外でのビジネス化を、技術移転の観点でやればうまく行くのではないかと思い、対象を技術だけでなく、文化にまで広げたのです。そうして選ばれたコンテンツが「折り紙」だったわけです。

技術移転の観点によれば、研究者の持っているアイデアのレベルと、企業が期待するマーケットレベルとの「ギャップ」を、知財インキュベーションという手法で埋めることが重要です。どんなに良いアイデアでも、売れるレベルにまでインキュベーションされていないと企業は興味を持ちません。

文化コンテンツの場合、文化そのものではマネタイズができないので、その文化になんらかの付加価値を付け、マーケットが求めるニーズを満たすものに変えることが必要です。その付加価値を、「知的財産」と捉え、権利を守りつつその財産価値を増やすように活動するのが知財インキュベーションという手法です。

この手法で、日本発の文化コンテンツを金を生み出すビジネスに変えるためにやってきた活動が、私の折紙スタジオということになります。

結構前になりますが、テレビジャパンClubにそんな私の活動を特集していただきましたのでご紹介します。

ビジネスで広げる折り紙の魅力

番組内容↓

YOUTUBEビデオ↓

0922WEB2

番組のトランスクリプト

今回は日本の伝統文化、折り紙について特集します。アメリカでは、学校の授業に取り入れられるなど今や折り紙は世界各国に愛好者を増やしています。その折り紙を “ビジネスの視点”でアメリカに広めようとしている日本人、矢口太郎さんと、矢口さんが経営するニューヨーク・ブルックリンの「Taro’s Origami Studio」をご紹介します。

日本の折り紙は 海外でも 「Origami」として知られ、北米のアートストアや書店などでも数多く販売されています。折り紙の原点は、折形(おりがた)と呼ばれる武家社会の礼儀作法の一つです。儀式に使う和紙の飾りや、贈り物を包む時などに使われ、その手法は 600年以上の歴史があるといわれています。今では、カラフルな色紙で、動物や植物といった様々な形を作りあげることを楽しむ遊びです。

092217-1その折り紙を本格的に教えてくれる教室がニューヨークのブルックリン地区にあります。「Taro’s Origami Studio」です。6年前にできたこの教室には、子供から大人まで、200人近くの生徒が通い、折り紙を学んでいます。初級から上級まで、その人のレベルにあった作品作りができるのがこのスタジオの特徴です。この「Taro’s Origami Studio」を経営するのが 折り紙作家・矢口太郎さんです。矢口さんが作り出す折り紙は、どれも躍動感にあふれています。細部にまでリアリティーを追求したその作品からは生命感すら感じられます。Taro’s Origami Studioでは、上級者になると、こういった作品の作り方も教えてもらえるんです。生徒の子供たちに話を聞きました。「(折り紙で)サンタクロースやキャンディーを作ったの! あとクリスマスツリーもね」

矢口さんに折り紙について伺いました。「(アメリカでは)アートの時間とか、数学、幾何学の時間とかに折り紙を使って教えます。手と脳が直結しているので 、手を動かすと脳に刺激が行くというんですかね。もう一つは情操教育というんですか ? いわゆる心、マインドに良いと言われています。なので、ちゃんと書いた論文とかは無いんですけど、ADHDの子供が集中してやるというふうに よく言われています。」

092217-2折り紙作家として活躍する矢口さんですが、実は本業は国際弁理士です。弁理士とは、特許など知的所有権を取り扱う専門家です。以前から、折り紙が多くの人々の目に触れその素晴らしさを広めるにはどうしたらいいのかと考えていた矢口さん。その答えは、“折り紙の商業化”でした。「折り紙というのは 本当に広げていこうと思ったらみんながボランティアでやるというものではなく、それ自体がビジネスとして 成立するものでなければ、本当の意味で人々の生活の中に入っていかないと思うんです」と矢口さんは語ります。そのために、どこでも手軽に学べる方法として考えたのが、タブレット端末を使った教材の開発です。これを使えば、先生がいなくても折り紙を学ぶことが出来るので折り紙人口を増やすことが期待できます。さらに矢口さんが思いついたのは、折り紙を活用したバースデーパーティーのイベントビジネスです 。折り紙を学びながら子供たちの誕生祝いを一緒にしてしまうこのアイデア。手作りの折り紙が子どもたちへのプレゼントになることに気づいてもらい、折り紙の裾野を広げる狙いを込めています。折り紙を商業化するといった矢口さんのアイデアは、企業とのコラボレーションにも活かされています。矢口さんは、「去年、全米のモールでやったプロジェクトですけど、そこで靴のセールをするということで等身大のハイヒールとスニーカーをその場で折って、一ヶ月間お客さんのために飾るというプロジェクトがありました」とイベントについて教えてくれました。

矢口さんは、その他に、ファッションブランドとのコラボやミュージカルのロゴ、そしてショップのディスプレーなど、ビジネスチャンスを広げています。Taro’s Origami Studioで先生をしているフランク・リンさんは、フルタイムのスタッフとして働いています。リンさんは矢口さんについて「スタジオの創設者であり、とてもクリエイティブな素晴らしいデザイナーでもあります。僕に大好きな折り紙を仕事として出来る場所を作ってくれて、とても感謝しています」と話してくれました。

矢口さんは、「折り紙を教えるということについて言えば、このスタジオは非常にローカルであるので、どこにいても習える様な仕組み、ITを使って遠隔でも教えられるような仕組みをこれからは作っていきたいと思います」と今後についても話してくださいました。日本の伝統文化の折り紙を、独自のスタイルで世界に伝えようとする矢口さん。折り紙の素晴らしさに気づく人々がますます増えていきそうですね。

Taro’s Origami Studio
www.tarosorigami.com

日本文化を本当に広げるために重要なことは、文化交流よりも実は商業化の観点

日本文化を本当の意味で広げたいと思ったら、ゲスい言い方かもしれませんが、関わる人にとって「お金の儲かるビジネス」にしないといけません。

折り紙について言えば、本当に広げていきたいと思うのであれば、皆がボランティアでやるというのではなく、それ自体がビジネスとして成立するというものでなければ、本当の意味での人々の生活の中に入って行かないわけです。

そのビジネス化を可能にするのが知財インキュベーションという考え方になります。

ビジネスの内容も紹介↓

パークスロープスタジオのフランク、いいこと言うね!

今後、折り紙のプラットフォームを作る予定です。

最後にプレゼント ↓

フィラデルフィア事務所も登場しました。↓

Taro’s Origami StudioとE-ラーニングシステム

タローズ折り紙スタジオのホームページは、

Taro's Origami Studios The Best Way to Experience Origami We offer Guided Origami Experiences, Drop-in Lessons, Beginner Classes, and Private Lessons at our S...

番組の最後で私が挙げていたEラーニングシステムはページは、

になります。

それではこの辺で!

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする