最近、個人発明者にとって、発明商品化の環境がどんどん整ってきています。
先日で、クラウドファンディングを使った資金集め及び発明商品のプロモーションについての記事を投稿しました。このようなサービスがオンラインで利用できることから、日本人が日本にいながらして、アメリカ市場に挑戦することが可能になっています。
日本で成功してもどうせ日本どまりです。しかし、アメリカで成功すればいきなり世界につながります!
発明完成には試作品作成は必須!
上記の投稿にも書いてあるように、発明志向の商品開発において、知財の保護が大切です。そして、その発明を完成させるためには試行錯誤を繰り返す必要があります。
試行錯誤というのは、具体的には、何度も試作品(プロトタイプ)を作り直すというイメージです。頭の中では動いても、実際に試作してみると動かないということは多々あります。
しかし、ちょっと前までは試作品であっても、個人発明者にとって、それを作ることのハードルは高いものがありました。
例えば、量産品はプラスティックの成型品で1つ数円~数十円で作れるものであっても、試作品は、木を削りだして作るとか、機械加工で作るとかしなければならず、小さいものでも、数万~数十万かかるということはざらでした。シリコン型を作って実際にインジェクションモールディングで試作品を作るとなると、さらにお金がかかります。
そこへ登場したのが3Dプリンタです。
最近は、3Dプリンターが家電店でも普通に購入できるようになってきています。また、高性能な3Dプリンターでもレンタルで使用できたり、非常に安価で外注製作をしてもらえる環境が整いつつあります。
そこで、我々の事務所でも、知財保護やクラウドファンディングの支援だけでなく、試作自体を支援するべく、高性能3Dプリンターを導入しました!
早速3Dプリンターを稼働
導入したプリンターで最初に作ったのは、近々クラウドファンディングを計画している私自身の発明品です(私は自分で何件もの特許を持っています!)。
この発明品は、すでに米国、日本、中国で意匠登録が完了しています。また、国際出願中です。
まずは3次元CADでモデリングです。
私が導入したのはアメリカシリコンバレーにあるRaise3D社のE2というプリンターです。そして、モデリングに必要な3Dキャドソフトは無料のBlenderというものを使っています。
そして、プリンティング。非常に静かです。
そして、出来たものがこちら。モデリングしたものと全く一緒ですね!(当たり前ですが)。まさに、紙にイラストを印刷するのと同じ感覚で空間に吐出したプラスチックで成形できます。
表面は非常にスムース。材料はPLAでしたが、ヒンジ性も良いです。
簡単なものでしたが、いかがでしょうか?
これで、問題なければ、ファイルを中国などの工場に送って見積もりが確定すれば、すぐに量産できるというわけです。
ロットにもよりますが、かなり安くできます。ここで費用が確定すれば、クラウドファンディングでいくら集めれば良いかわかるわけですね!
3Dプリンターを持っている特許事務所や弁理士ってなかなかないと思います。
下の投稿は、私のクライアントで米国在住の玩具デザイナー伊藤氏のクラウドファンディング案件です。私の方で知財のサポートをさせていただいています。ご存じのように、ヒット商品に対しては瞬く間に模倣品が市場に溢れます。その時に特許がないと対抗ができません。特に中国セラーに注意です。
発明商品化、特にアメリカでの商品化を目指している方は、お気軽にお声をおかけください。
それでは!