アメリカにおける商標権は、連邦商標法(いわゆるLanham法)によって保護される権利と、各州の商標法で保護される商標権、そしてコモンロー上の権利としての商標権があります。
連邦商標法は国際取引及び州際取引に使用される商標を保護しています。通常、日本企業がアメリカで商標を使用する場合は、日本とアメリカとの間の国際取引になりますので、連邦登録による保護を求めることになります。
一方、州商標法に基づく商標権は、商標を使用しているその州内でのみ保護されます。州の規定が連邦法と抵触する場合は、連邦法が州の規定に優先します。
コモンロー上の商標権は、実際に商標を使用することによって発生する事実上の権利であり、その使用している地域において成立する権利です。従って、使用を継続している限り、その後に取得された他人の連邦登録又は州登録によって使用を差止められるようなことはありません。しかし、上記の連邦商標法、州商標法は成文法であり、登録の内容は明確ですが、コモンロー上の権利範囲は不明瞭です。