出願および特許権の復活

放棄になった出願および特許権の復活

米国では日本と違い、一度放棄になった特許・出願の復活が可能です。また、手続きも比較的簡単なので、何らかの理由で過去に拒絶理由通知に応答しなかった方や年金を支払わなかった方も検討されてはいかがでしょうか。 米国では以前から復活の制度がありましたが、特許法条約の批准に伴い、その利用がさらに簡単になりましたので紹介します。 (1) 2013年改正以前の従来の取り扱い  改正以前の規定では、復活手続が取れるのは納付期限の「24カ月以内」であり、「故意ではなく(unintentional)」若しくは「避けられなかった事情(unavoidable)」によって支払いを逃してしまった場合にのみ、放棄された出願および特許権を所定の手続により回復させることができるというものでした。 (2) 改正後の取り扱い  米国が特許法条約の批准をしたことに伴い国内法である米国特許法で維持手数料未納等による失効について改正が行われました。Patent Law Treaties Implementation Act of 2012の施行(2013年12月18日)に伴い、「24カ月」の期限や「避けられなかった事情」に関する規定が削除され、実質未納が故意でない場合(unintentional)は特許維持料を納付可能なグレースピリオドが過ぎた後でも納付sすることが出来、権利回復が可能となりました。回復に関する手数料(revival fee)は$1700(大規模団体の場合)が既定されています。 復活できる出願の中には、PCT国際出願の30ヵ月国内移行期限までに米国に国内移行手続きをとらなかったものについても含まれます。したがって、この復活手続を利用することで、30ヵ月の国内移行期限を逃してしまった場合でも、米国に国内移行することが可能になります。 (3) 中用権について  復活制度は特許権者にとって大変有用ではあるものの、6ケ月の猶予期間後かつ特許の回復前に無効とされた特許について実施(あるいは実施の準備)をしていた場合には、その特許権が回復した後でも実施を継続できる中用権(Intervening rights)が定められています。ただし、中用権は特許侵害紛争等において裁判所によって個別に判断されるものであるので、注意が必要です。   米国特許法 37 CFR 1.137 §1.137 Revival of abandoned application, terminated reexamination proceeding, or lapsed patent. (a) Revival on the basis of unintentional delay. If the delay in reply by applicant or patent owner was unintentional, a petition may be filed pursuant to this section to revive an abandoned application or a reexamination prosecution terminated under § 1.550(d) or § 1.957(b) or limited under § 1.957(c). (b) Petition requirements. A grantable petition pursuant to this section must be accompanied by: (1) The reply required to the outstanding Office action or notice, unless previously filed; (2) The petition fee as set forth in § 1.17(m) ; (3) Any terminal disclaimer (and fee as set forth in § 1.20(d) ) required pursuant to paragraph (d) of this section; and (4) A statement that the entire delay in filing the required reply from the due date for the reply until the filing of a grantable petition pursuant to this section was unintentional. The Director may require additional information where there is a question whether the delay was unintentional. (c) Reply. In an application abandoned under § 1.57(a), the reply must include a copy of the specification and any drawings of the previously filed application. In an application or patent abandoned for failure to pay the issue fee or any portion thereof, the required reply must include payment of the issue fee or any outstanding balance. In an application abandoned for failure to pay the publication fee, the required reply must include payment of the publication fee. In a nonprovisional application abandoned for failure to prosecute, the required reply may be met by the filing of a continuing application. In a nonprovisional utility or plant application filed on or after June 8, 1995, abandoned after the close of prosecution as defined in § 1.114(b) , the required reply may also be met by the filing of a request for continued examination in compliance with § 1.114 .

権利存続期間と登録料・年金の納付と特許権の復活

米国での特許存続期間は、出願から20年です。ただし、1995年6月8日以降、2000年5月29日以前に出願された特許に関しては、出願人にとって不利になる審査の遅滞があった場合、この遅滞分特許期間が延長されます。 また、特許が登録された後の手続としては、登録日から3.5年、7.5年および11.5年目の計3回の特許料の納付があります。該当年の登録月日に登録料納付期間が始まり、登録月日6カ月経過後に納付期間が終了します。6ヵ月の年金納付猶予期間がありますが、猶予期間を利用して年金を納付する場合には、ペナルティーとして印紙代の50%(いわゆる「倍額期間」)が加算されますので注意が必要です。 なお、日本と異なる点として、米国においては、特許の復活がかなり広く認められることが挙げられます。不可抗力な場合だけなく、「故意でない」場合まで含みますからほとんどの場合救済されます。また、復活できる期限もかなり長いということがありますので、年金を納付しなかったとしても諦めるのではなく、米国の場合には何とかなる場合が多いので、復活にトライされることをお勧めします。

本記事を気に入っていただけましたか?
ご質問・お仕事のご依頼は、下のフォームからお願い致します。