米国特許庁(USPTO)は2010年11月24日付けで出願交換プログラム(Patent Application Exchange Program(出願交換プログラム)の実施を1年間延長する事を発表しました。この発表により、このプログラムの試行期間が2011年12月31日まで延長されました。
このプログラムは、審査の遅滞状況を改善するために2009年11月27日より開始されたもので、2009年10月1日以前に出願されている未審査の出願を1つ取り下げることにより、別の出願を審査の対象としてもらえるというプログラムです。
プログラム施行当初は、プログラムの対象が小規模団体(Small Entity)のみに限られていましたが、その後2010年6月24日より対象が全出願に拡大されました。ただし、1つ/一人の出願人につき15出願までと制限が加えられています。
発明によっては数年で保護が不要となるケースや、防衛目的で出願のみをしてかなりの月日が経過しているケースがあります。このような出願は無駄であることが多く、能動的にこれらの出願を放棄させることで未審査審査件数を少しでも少なくしようというUSPTOの取り組みです。
すなわち、出願人に不要な出願の選別を喚起し、かつ1放棄1早期審査という魅力的な特典のついた画期的なプログラムです。ただし、このプログラムはあくまでも臨時プログラムであるため、先にも述べましたとおり、2011年12月31日にはプログラムへの参加が締め切られます。本プログラムに興味のある方は、USPTOのサイト(こちら)をご覧いただくか、恵泉までご遠慮なく問い合わせください。
米国弁理士 矢口太郎
パラリーガル 山口美紀
パラリーガル 山口美紀