登録商標を継続して5年以上使用すると第15条の宣誓書の提出が可能です。第8条の宣誓書は登録を維持するための必要条件ですが、この宣誓書の提出は任意で、提出しなくても登録は維持されます。提出する場合は、5年間継続使用した後1年以内に提出しなければならず、提出の際もまだその商標を使用していることが条件です。そしてこの15条宣誓が受理されると、不可争性を得ることができます。不可争性の効果は、第三者が商標登録の有効性を争えなくなるということにあります(商標の普通名称化、不使用による放棄、詐欺による登録を除く)。
第三者が登録商標と同一の商標を未登録のまま、登録商標権者より先に使用していたとします。そしてその最初の使用者が、「自分が先に使っていたのだから商標権は自分にある」と主張して、商標登録の取り消しを請求した場合、通常、登録は取り消されてしまいます。しかし、この第15条の宣誓書を提出して不可争性を取得した後は、上記の場合でも登録は取り消されません。このように、15条宣誓を提出することによって権利は安定することになります。但し、未登録先使用の商標使用者は、その商標を使用している一定地域内でコモンロー上の権利を維持することができ、その範囲でのみ商標を使用し続けることができます。
また、登録商標が識別力を欠くという理由で第三者が無効を争うこともできなくなります。
実務上は、上記第8条の宣誓書提出の際に第15条の宣誓書を提出することが多いです。
また、マドリッドプロトコルに基づいてアメリカを指定国とした出願登録の場合も、この15条の宣誓書を提出することができます。